
占い師
私の住む枚方市は、大阪では面積が広く、人口も多いほう。
枚方市の駅周辺には、簡易式の占い屋が5つばかりある。
種類は決まって、人相占い。
道端で取り返しのつかないことを言われるのは、
何ともおっかない。
もっとおっかないのは、
私が店の前を通り過ぎるたび、「占いはいかがですか?」と呼び止められること。
振り返ると目に入る『人相占い』の看板と怪しげな人相の占い師。
遠くから見てみると、誰にでも声をかけているわけでもない。
そして、今日もまた、かけられる声。
占われていないが、顔がまずいということだけは明確だ。
暗澹。
本日は1年ぶりにその駅からバスに乗って実家へ向かう。
なんとなく夕方まで眠ってしまい、焦った上での突拍子もない決断だ。
バス停の名前が変わっていて、危うく通過しそうになるも、
ようやく到着。
いつもは1時間も滞在すれば長いほうである。
今夜は実家に泊まる。
二十歳で家を飛び出してから、実に4年ぶり。
懐かしさより、帰宅した寂しさに震えながら、
父の隣で眠る。
今日は母方の祖母の手術があった。
結果は芳しくなかった。
来年のお正月は一緒に迎えられないといわれている。
だけど、よくわからない。
命が途切れるとその人のなにが無くなるんだろう。
未来はなくなる。
存在がなくなるとは思わない。
私の中にある。
だけど、応答しても返事が返ってこない。
そうか。
交信できなくなるんだ。
それは、すごく寂しいじゃないか。
交信って大事だ。
相手が宇宙人でも隣の人間でも。
はろー
元気ですか
元気じゃなくてもいいんです
ほんとうは
決まり文句を
いってみただけ
ただ
なんでもいいから返事をちょうだい
かたつむり